ザ・リバティ2009.4月号(2/28発刊)で景気回復緊急提言が掲載された。
30兆円の銀行紙幣を発行せよ
である。
マスコミによって「100年に一度の不況」とのフレーズが定着してしまっている。本当にそうだろうか? という疑問符から始まるこの景気回復緊急提言は、昨今の不況を日銀の急激な利上げに原因があるとする。
‘06年から’07年にかけて日銀は急激に金融を引き締め、それに伴いこの”100年に一度の不況”が起こってしまった。これはバブル期に行った五回にわたる公定歩合引き上げでバブルつぶしを行い戦後最悪と言われる不況を招いた行為と似ている。
バブル崩壊後、長期不況にあえぐ日本に、どこよりも早く「緊急提言・高速道路をフリーウェイ(無料)に!」(ザ・リバティ1998.8月号)を提言したのも本誌だ。
では、「なぜ銀行紙幣発行が景気回復に効くのか」また、「民間銀行が紙幣を発行できるのか」について鈴木真実哉氏の論考が詳しい。
氏の論考を引用すると
<銀行紙幣発行のメリットは?>
・ 貿易黒字で、外貨準備も技術力もある日本が不況というのは、経済の血流であるお金が動いていないから。政府紙幣よりも、民間銀行が紙幣を発行するかたちで金融緩和を図ったほうがいい。
・ 発行した銀行紙幣を企業に貸し出すところがポイント。資金がショートしている民間企業に貸し出せば効果が大きい。
・ 景気回復し、経済が発展していく際に主役となるのは企業家である。企業家に対して血流を流す(資金供給する)役割が銀行であり、それを銀行紙幣発行によって行えば、企業にとっても銀行にとってもメリットが大きい。銀行には紙幣発行益が入る。
<民間銀行が紙幣を発行できるのか?>
・ 法規制されているだけで、中央銀行以外に紙幣を発行してはいけないという根拠は何もない。民間銀行も出しても構わない。かつてイギリスでも、複数の紙幣が発行されていた。預金量がほとんどないのに発行している銀行もあり、その地域の決済手段として用いられた。日銀法で特例を設ければ、発行できる。
・ 民間銀行が紙幣を発行すれば、その銀行は健全なバランスシートになるよう一層努力するようになる。
<インフレ懸念について>
・ 銀行紙幣発行が30兆円の枠内であるならば、インフレになる心配はない。
・ 三菱東京UFJや三井住友、みずほが発行した紙幣がディスカウントされて流通するならば、メガバンクとして名折れになるので、その銀行はインフレになるほど紙幣を刷ることはない。
<ハイエクの「貨幣発行自由化論」について>
・ ハイエクは貨幣発行自由化を唱え、中央銀行も結果的に必要なくなると提唱した。戦後は、ケインズ経済学とマネタリズム(フリードマンが唱えた)が重視されてきたが、どちらも「国家が経済を動かす」という考え方が前提にある。ハイエクの経済学には「国家」が出てこない。国家が経済に対して何かできるというのは間違いであるというスタンスに立っている。21世紀の経済学は、ケインズでもマネタリズムでもなく、ハイエク経済学である。
・ 貨幣発行を自由化するということは、日銀という一官僚組織に民間の資金需要が本当に分かるのかという意味でもある。民間の銀行のほうが民間企業の資金需要がダイレクトに把握できる。民間銀行で紙幣を発行できたほうがいい。
・ 日本が率先して世界初の金融政策を実行し、新たなモデルを示すべきである。
今必要なのはニューディールではなく、富を創出すること。インフレの幻想に惑わされず、価値を創造していくことである。その新しいモデルを、この日本が先陣を切って作り出す「勇気」こそ、今、日本人に一番求められているのではないだろうか。
とはいえ、1998年に本誌が提言したフリーウェイは、10年たった今もまだ実現していない。今やっと経済効果を試算したり、政党のマニフェストになっていたり、景気対策で安くするあたりである。
この銀行紙幣論は急を要する。フリーウェイ化にこれほど時間がかかっているのは、世論が動かないからではないだろうか。現代の世を動かしているのは、代議士の皆様ではなく、国民の世論である。さらにはそれを動かすマスコミが「今、本当に必要なものは何か」を真剣に問うべきなのだと思う。
ぜひ、ザ・リバティ2009.4月号を読んでいただきたい。
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